肩こり

近年、長時間のデスクワーク、スマホ操作、過度なストレスによる緊張、運動不足、身体の冷えなどで肩こりを感じている方が多くみられます。それは大きな病気という位置づけではないため、このくらいなら…と、我慢してしまう方もいるでしょう。しかし、そのまま放置すると、筋肉の弾力が失われ、縮んだまま硬くなり、さらなる悪循環を生み出します。




肩こりとは?

主に僧帽筋という筋肉に起こる症状で、肩だけでなく首もこることが多いです。長時間同じ姿勢をとり続ける、猫背、姿勢の悪さ、冷房などにより筋肉が硬くなり、血管が圧迫され血流が悪くなります。老廃物や疲労物質が溜まると、これが刺激となって痛みを引き起こします。
一時期的に肩や首の周りを刺激して血の滞りや老廃物を取り除き、こりや痛みが楽になったとしても、新しい栄養を含んだ血液が運ばれないと筋肉や神経が再生されにくく、また新たな肩こりが発生します。
肩こりは男性よりも女性に多い傾向があり、これは男性よりも筋肉量が少なかったり、女性に多い冷え症による血行不良が関係しています。



中医学で考える肩こり

中医学において、肩こり・首のこり・痛みは「瘀血(おけつ)」という血の滞りにより引き起こされます。そのため、瘀血の原因となっている体質を見極め、改善していくことがとても重要です。
また、身体に走っている経絡のうち、どの部分に障害を受けているかを判断して治療します。経絡とは、体中にくまなく分布し、気血などの栄養物質を運ぶ重要な通路のことです。臓腑や器官、筋肉などは経絡を介して繋がり機能していますが、鍼灸を行うことで経絡の流れを疎通し、こりや痛みなどをとっていくことができます。


肩こりの鍼灸治療

身体は「頭を支える首」「上半身のバランスをとる足首や骨盤」「手や背中の筋肉」など、それぞれが連動することで全身の姿勢を保っています。鍼灸では、こりや痛みのある部位は反応点であり、重要な治療点と考えます。 加えて、首や腕、背中、腰、足などの全身を鍼やお灸で調整することで、滞っていた気血津液などの流れが改善し、身体がポカポカ温まる・お小水の量が増える・元気を感じるなどの改善が促され、その結果、肩こりの再発防止にも繋がるわけです。眼精疲労も感じている方は、目の周囲への鍼施術で、肩こりへの効果が期待できます。



タイプ別鍼灸治療

1.風寒(ふうかん)
冷たい空気やクーラーなどにさらされて、経絡の流れが滞るタイプ。
悪寒発熱、鼻水、くしゃみなど風邪症状もある場合があります。
おすすめのツボ:大椎(だいつい)、風門(ふうもん)など。
お灸を多めに使います。

2.痰湿(たんしつ)
身体に余分な水分が溜まり、血行が悪くなるタイプ。
食べすぎたり飲みすぎたりして胃腸に負担をかけると、体内に余分な水分(老廃物)が滞ります。雨が降ると重だるく感じ、温めると一時的に楽になります。
おすすめのツボ:陰陵泉(いんりょうせん)豊隆(ほうりゅう)など。

3.肝鬱(かんうつ)
ストレスを感じた時に肩こりになるタイプ。
イライラしたり、怒りっぽくなることで気を巡らせる働きがおち、血行不良になります。
おすすめのツボ:太衝(たいしょう)、陽陵泉(ようりょうせん)など。

4.気血両虚(きけつりょうきょ)
身体に必要な気(エネルギー)や血(けつ)が不足し、血行が悪いタイプ
食べものからの栄養が少なかったり、胃腸が弱いため十分な気や血が作れず、血流をスムーズに保てなくなります。
おすすめのツボ: 足三里(あしさんり)脾兪(ひゆ)など。



 ※暮らしのアドバイス

入浴
入浴で肩や首を温めて、筋肉をほぐし血行を促がします。
入浴剤で気分をリラックスするのも効果的です。
休憩とストレッチ
長時間のスマホやパソコンは同じ体制を維持してしまうので肩こりの大敵。
時間を決めて休憩を挟み、軽くストレッチをしましょう。
腕を回す
毎日少しでも良いので、腕を回して肩を動かしましょう。
肩甲骨を動かすように意識するのがポイントです。