関節リウマチ(RA)

症状は、手指などが動かしにくい朝のこわばりに始まり、多関節の痛みや腫れ、動きの制限などが見られます。同時に、倦怠感や不眠など全身症状が主訴で来院される方もいます。 痛みのコントロールや日常の生活における支障を減らし、ストレスを軽くすることが必要になります。



関節リウマチとは?

30~50歳代の女性がなりやすく、多発関節炎を引き起こす自己免疫疾患です。原因は、遺伝や喫煙、感染などの環境素因が加わることで起こると考えられていますが、はっきりとしたことは分かっていません。
症状は、まず手指や足趾などの小関節に左右対称性に炎症が起きます。場合によっては肩や膝など全身の大関節に及び、関節の破壊や変形に進行します。関節破壊が進むと、日常生活や家事、仕事に支障が出て介助が必要になるなど、生活をする上での機能障害が進行します。他にも、微熱、体重減少、貧血、リンパ節の腫れ、目や口の渇き、視力の低下、口内炎、息切れ、空咳、疲れなどを感じることがあります。



 《リウマチ 自己チェック》
初期の関節リウマチの症状では、痛みよりもこわばりや腫れが重要です。これらの症状は一時的なものではなく「1週間以上続く」という点も重要なチェックポイントです。

※3個以上あれば注意
□ 腫れた個所に痛みがある
□ 全身の3か所以上の関節に痛みがある
□ 歯ブラシが持ちにくい
□ 服のボタンのはずしたり、かけたりしにくい
□ 靴紐やリボンが結びにくい
□ 箸やハサミがうまく使えない
□ テレビのリモコンが押しにくい
□ 家の鍵やドアノブが回しにくい
□ 料理などこまかい家事がしにくい

朝起きてから30分以内くらいに最も出やすく、日中や夜は落ち着くのが特徴です。その意味で、朝の行動を意識しましょう。



関節リウマチの検査と治療法


 関節リウマチの検査
問診と診察(視診・触診・打診)
画像検査(X線検査が重要で、病気の進行度をあらわす「ステージ」・日常生活の障害の程度をあらわす「クラス」の判定にも使われます)
血液検査(リウマトイド因子(RF)、抗CCP抗体など)
関節液成分検査
生化学検査
腎機能検査
など。



 関節リウマチの治療法
基礎治療
患者さんが関節リウマチについて理解し、日常生活の管理を行います。
薬物療法
薬によって症状を和らげたり、病気の進行を抑えたりします。
手術療法
炎症が起きている部分を切除したり、人工関節などを用いて関節の機能を回復させます。
リハビリテーション療法
関節の機能を維持します。

かつて、関節リウマチは症状がゆっくりと進行し、10年以上が経過してから関節破壊が生じると考えられていましたが、発症後早期から急速に関節破壊が起こることが分かってきました。関節の腫れや痛みがひどくなくても、関節の内部では炎症が続き、関節破壊が進行していることもあります。つまり、発症から1年以内に関節破壊が急速に進行するため、早期に発見して早期に治療することが重要となります。最近では、発症早期に適切な薬物療法を行うことで進行を抑えることが可能となりました。



中医学で考える関節リウマチ

中医学で関節炎は、外界の邪気(主に風・寒・湿・熱)が身体に侵入して、経絡における気血の流れを滞らせ、関節や筋肉に痛み・腫脹・重だるさを生じさせると考えています。一方で、生活環境や食習慣とも密接に関係があり、外邪を感受し、身体への侵犯を許してしまう元々の体質にも原因があります。五臓でいうと「肺・脾・肝・腎」の働きが関係します。



関節リウマチの鍼灸治療

 

全身に鍼灸をすることで、白血球の増加など血液に効果的な影響が及ぼされて、細胞が活性化します。免疫力と血流を良くすることで身体の中から、鍼灸はアプローチ出来ます。また、痛みや腫脹のある関節部分に鍼や灸をすることで、結合組織(皮膚・筋肉・内臓・骨などの各組織の隙間を埋めて保護したり、強固にしたりする組織)における滞りを解消させ再生をうながします。結果、痛み・炎症・こわばり・疲労などの全身症状もコントロールできます。
中医学の鍼灸治療は、痛みの性質と症状が出ている場所(そこを通る経絡)を特定することから始まります。邪気は、種類によって痛み方や症状が異なります。



タイプ別鍼灸治療

邪気が経絡に侵入し、気血の流れが閉塞して通じなくなると、「不通則痛(通ぜざれば痛む)」という状態になります。邪気の性質に合わせてお灸や吸い玉を組み合わせ、邪気を取り除く「祛邪(きょじゃ)」、経絡気血の流れをよくする「疎通経絡(そつうけいらく)」により、痛みの鎮静をはかります。

風邪(ふうじゃ)
風の邪気によるもので、痛みの部位が移動する、痛みの部位が一定せず多関節にまたがる特徴がある。上半身の疼痛が多い。まだ体の中まで及んでいないため、他の痺証に比べると治りが早い。ストレスなどにより悪化する。
おすすめのツボ:風門(ふうもん)、血海(けっかい)など。

湿邪(しつじゃ)
湿気の邪気が原因となり、しつこく定着しやすい。重だるい痺れ、むくみ、腫脹がある。特に下半身の症状が多い。湿気の多い環境や生ものの飲食で悪化する。また、胃腸が弱いと消化能力が低いため、痰湿(老廃物)を生みやすく長期化しやすい。
おすすめのツボ:陰陵泉(いんりょうせん)三陰交(さんいんこう)など。

熱邪(ねつじゃ)
暑さなど熱の邪気によるもので、腫れて熱感が強いなどの症状があり急速に進むのが特徴。関節に発赤、腫脹、熱感、疼痛が出やすい。触れると痛みが憎悪し、冷やすと軽減する。辛いものを食べたり、風邪やストレスなどにより悪化する。
おすすめのツボ:熱邪:曲池(きょくち)合谷(ごうこく)など。 ※お灸は不可

寒邪(かんじゃ)
寒さの邪気によるもので、固定した場所に痛みがあり、ズキズキとした強い痛みを伴う。冷えによって激しく痛み、温めると一時的に良くなる。加齢や冷え症、冷たいものの飲食も悪化させる要因となる。
おすすめのツボ:関元(かんげん)太渓(たいけい)など。 ※お灸多め


関節リウマチは難病ですが、鍼灸治療はつらい症状を取り除いたり、病状の進行を遅らせたりする事が可能です。また、西洋薬による副作用の軽減や薬の減量が可能となります。西洋医学では、薬物療法と並行して十分な休養と安静にすることが重要とされています。中医学でも同様に、体質の改善として生活スタイルや食生活を見直すことも大切だと考えます。



 暮らしのアドバイス
健康な食事をしましょう
適正体重を意識しましょう
適度な運動をしましょう
十分な睡眠をとりましょう
無理をせずに休むようにしましょう
禁煙しましょう
お酒はほどほどにしましょう
体を冷やさないようにしましょう